2009年12月07日(月) 【月が綺麗な夜だから】 遅く起きた日曜日。既に時刻は午後をまわっていた。 ホントはやりたい事もやらないといけない事も沢山あるけど…、う〜ん、やっぱりめんどくさい。 …はぁ、お腹減ったなぁ。 ろくな食材もないし、かと言って何か買いに行くのも億劫だし。 ぼーっと冷凍庫を漁っていたらスパゲティを見つけた。うん、これでいいや。 “冷凍カルボナーラスパゲティ”と書かれたパッケージを雑に剥ぎながら、ふと作り方の説明文に視線を落とす。 「1、凍ったままのスパゲティを袋のままお皿に乗せ、電子レンジで暖めて下さい」 …、うるさい。そのぐらい言われなくても分かってる。面倒くさいのは嫌いなんだ。 「2、温めたスパゲティをお皿に盛り付けて下さい」 うるさいなぁもう。いちいち盛り付けなくたって別に食べられるじゃないか。 「3、ソースを良く絡めて、温かいうちにお召し上がり下さい」 あぁもう、だからうるさいって言ってるだろ!!いつ食べようがそんなの僕の勝手じゃないか!! 「注意:加熱した袋は高温になりますので、取り扱いには十分注意して下さい」 あああああああ!! うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!!! クソッ!クソッ!どうして!!……、どうして…、どうしてこんなに優しくしてくれるんだよ!! どうして…、こんなどうしようもない僕なんかに…。僕なんかに…。 うっ、うっ…、うわぁぁぁぁぁぁぁん!! ひっく…、ホントは僕だって…、僕だって…辛いんだよ。 うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん… 一体どれだけ泣いただろうか。気付いたら外はすっかり夜。 僕はベランダに出て、タバコに火を点けた。 タバコの煙と一緒に 外の空気を思いっきり吸い込む。 ピンと張り詰めた12月の空。見上げるとそこには満天の星空が広がっていた。 フッとまた感傷的な気分になる。 …あれ、世界ってこんなに綺麗だったっけ…… もう少し、うん、もう少しだけ…、頑張ってみようかな…。 『ぐぅー…』 ……、まったく、折角感傷的な気分に浸っていたのに。 そういえばさっきのカルボナーラスパゲティまだ食べてなかったな。 タバコの火を灰皿に押し付け、部屋の戸を開ける。 台所に戻ると、そこにはすっかり冷えてしまったスパゲティがあった。 『明日も頑張ろう。』 そう思いながら食べたカルボナーラスパゲティは、心なしか少しだけ塩辛い気がした。 〜fin〜 [追記を読む] 02:00 コメント(2) [コメントを書く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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